車高の高いSUVは運転しにくい?

SUVが運転しにくい理由

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出典:日産アルマーダ

「Sport Utility Vehicle(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)」を略したSUVは、スポーツ用多目的車と訳され、趣味のオフロード用だけでなく、日常生活でも使用しやすい車種が増えています。
SUVは車内空間も荷室スペースも広いので、ファミリーカーとしても選ばれています。
その一方で、運転初心者やセダンに乗り慣れたドライバーには、運転しにくいという声もあります。

SUVが運転しにくい理由には「車幅」と「車高」があります。
SUVは車内空間が広い分、車幅が広くなっているという特徴があります。
車幅が広いと狭い道は走行しにくくなりますし、右折・左折、駐車の際により注意が必要になりますので、運転が難しくなります。

また、車高が高いことで安定性が低くなり、運転しにくくなります。
一般的に車高が高くなると重心が高くなりますので、荷物を多く積んでいたり、多人数が乗車していたりした際、横風に吹かれると、操作操縦性が悪くなりやすく、通常のスピードでカーブを走行すると、左右に傾くロールという現象が起きやすくなるのです。

車幅が同じで車高が違うSUVは運転しにくい?

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出典:財経新聞

では、同じ全長、車幅が同じセダンとSUVでは、車高が高いSUVの運転はしにくいのでしょうか?
セダンのトランクは単に荷物スペースという役割だけでなく、空気の整流作用があり、同じ車体型のハッチバックやステーションワゴンと比較しても、高速安定性が格段に違うという体験談があります。
高速安定性という点で言えば、確かに車高が高く、重心が高いSUVは劣るかも知れません。

車高や重心位置が高いと風の影響を受けやすく、高速道路を走行中に、突然、強い横風に吹かれて車体が揺れたり、横に流されたりしてヒヤリとすることがあります。
車高の低いセダンは、ワインディングでのコントロール性の安定感があります。
ただ、車高が高いSUVは道路が渋滞している際、先の見通しが良いため、早めに車線変更できるなど渋滞を避けられるメリットもあります。

実際に以前はシャコタン派だったドライバーが、10年前にトヨタのSUV車ハリアーに乗り始め、運転のストレスが減少したので、すっかりSUV派になった例もあります。
また、自分は車高の低いセダンの方が、コーナーリングしやすいので乗りやすいけれど、運転が苦手なドライバーには車高が高い方が、見晴らしが良くて乗りやすいかも知れないという意見もあります。

SUVの運転にはコツがある

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一般的にSUVが運転しにくいと言われるのは「車幅」と「車高」という理由であるので、SUVの運転のコツとしてまず、車幅に慣れる必要があります。
車幅感覚を掴みやすくするには、タイヤの位置と運転席からの見え方を一致できるように訓練することが有効です。
最初は狭い道は避けるようにして、広い道から走行して車幅感覚に慣れて行くというのもひとつの方法です。

次に車高については前方の見晴らしが良くても、側面や後方については見づらくなりますので、特に側面や後方の視界に注意を払い、運転するように習慣づけます。
横風の影響を回避するためには、湾岸などの吹きさらしの道路、橋の上、トンネルの出口、切り通しの切れ目などの場所では注意するようにします。
重心が高いということは安定性が低くなり、運転しづらいという意見ですが、最近のSUV車には重心が低い車種も登場しています。

SUV車の低重心化が進んでいますので、車高が高いから不安定とは言い切れなくなっています。
また、SUV車は人や荷物を多く載せられるからと過積載にならないようにし、重心を後方に偏らせないようにする必要があります。