SUVは4輪駆動じゃないと意味がない?

4輪駆動と2輪駆動の違い

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4輪駆動は自動車の4つあるタイヤのすべてにエンジンの駆動力が伝わるしくみのことで、英語のfour-wheel driveの略で4WDと呼ばれます。
4つのタイヤがすべて駆動しますので、路面の密着感が強く、舗装していない凹凸の山道や水たまりなどの悪路、高速でカーブする際も安定した力強い走りが可能です。

一方、2輪駆動は前輪の2つか、後輪の2つのみエンジンの駆動力が伝わり、残りの2輪はただ回っているだけというしくみのことで、two-wheel driveの略で2WDと呼ばれます。
エンジンがフロントにあり、前輪2つに駆動力を伝える仕組みは前輪駆動(FF)、エンジンがフロントにあり、後輪2つに駆動力を伝える仕組みを後輪駆動(FR)と呼び、一般的な2WDではFFが採用されています。

SUVは必ずしも4輪駆動ではない

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出典:SEEK DRIVE

SUV(Sport Utility Vehicle)は本来、アメリカでの自動車のジャンルの呼び方として使われ、ミニバンやRVなどと同様であくまで用途上の分類の名称であるため、必ずしも4輪駆動である必要はありません。
日本でSUVを定義するときに支障となっているのは、メーカーのマーケティングにより、これまで「4駆」と呼ばれていたものを「4WD」、「オフロード車」、「クロカン」、「RV」、「SUV」と次々に名称を変えてきたことです。

本来、軍用車が元になっているジープなどのクロスカントリービークルが乗用車モデルになり、高級化し、小型トラック発祥のSUVの荷台がボディと一体化し、4ドア化したことで時代と共にSUVの範疇に入るようになって来ています。
つまり、SUV、4WD、オフロード車は必ずしもイコールでなく、アメリカではSUVの販売台数の増加に伴い、2WDモデルの比率が高くなっています。
ただ、日本では山間部や降雪地の多い地方もあり、雪道や未舗装の山道を走行する場合に備え、保険的な意味で4WDが好まれる傾向があります。

クリーンディーゼル車は4WD採用車種が多い

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出典:SFN

世界一厳しい日本の排気ガス規制に適合するクリーンディーゼル車が注目されています。
クリーンディーゼル車はガソリンエンジン車の21~23%と燃焼効率が良く、二酸化炭素の排出量が少なく、軽油を使用するため、レギュラーガソリンに比べ、1L当たり30円以上安く、低速から力強いトルクを発生させ、エンジンの耐久性に優れています。

その分、ガソリンエンジンよりも内部の圧力が高く、高温になりますので、エンジン内部のパーツをより頑丈にする必要があります。
4WD車はエンジンが低速の領域から力強いトルクが必要になる特徴がありますので、クリーンディーゼル車との相性が大変良いのです。

価格が高いが安定した走りの4輪駆動

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出典:livedoor

4輪駆動のSUV車は経済的にも2輪駆動に比べて価格が高く、車体の重量も重く、燃費も良くないので、ガソリン代の負担が大きく、加速も2輪駆動より若干劣るとされています。
やはり4輪駆動のSUVの良さは、雪道やカーブの走行安定性にありますので、北海道や東北、北陸など積雪地帯や山間地域を走行する機会がなく、普段の街乗りであれば2輪駆動でも問題なく、必要ない人が使用すると経済的にも走行面でもマイナスの要素が目立つと思います。

ただし、価格が高いということは車の買い替え時に、同一車種で買取査定価格を比較すると、4輪駆動の方が高いことになります。
中古車相場や買取相場ではその車種のイメージが、買取査定価格にも影響しますので、SUV車は4輪駆動というイメージの影響は多少あります。
特にポルシェやベンツ、BMWなど欧州車のメーカーのSUV系の車種に4輪駆動が多いですね。